うつ病治療の経過

うつ病治療の基本は投薬と休養


うつ病において気分が落ち込む、食欲が無くなる、不眠になるといった症状が現れる時期を急性期と呼びます。多くのうつ病患者はこれらの症状により仕事や学校、日常生活が困難になることで病気を自覚します。その後、専門医を受診することで、うつ病であるという診断を受けます。また本人に自覚症状がない場合でも、家族や友人が異変を感じ受診を勧めるケースも珍しくありません。うつ病と認定された患者は、主に抗うつ剤を用いた投薬治療と休養によって、うつ病の完治を目指すことになります。抗うつ剤は服薬を始めてすぐに効果が出る訳ではなく、うつ病の症状が消えるまである程度の期間が必要とされており、そのため体調が安定するまでは仕事や通学など、日常生活における負担をできるだけ減らし、体を休める事が推奨されているのです。

元の生活に戻るまでは1年程度かかる


急性期にある患者が投薬治療と休養によってうつ病の症状がみられなくなり、体調が安定してくる時期を継続期と呼びます。うつ病患者の中には長い期間休養し体を休める事に罪悪感を持ち、社会復帰に対する焦りの気持ちから早く治療を終えたいと思う方も少なくありませんが、急な断薬は症状の悪化を招くこともあるため非常に危険です。治療によって体調が回復してからも2ヶ月以上は休養することが推奨されており、その後体調に変化がなければ服薬を続けながら徐々に復職や復学、社会参加を始めます。元の生活に戻るまでには最低でも1年以上かかるといわれており、体調が良くなってからも再発を防止するために服薬を続ける期間を持続期と呼びます。再発の危険がなければ医師の指導のもと服薬を中止し、治療は終了です。